デニム着物で福山デニム工場を訪問〜音遊研修ツアー〜

こんにちは。
音遊kimono school神戸校講師・お夏(佐藤夏穂)です。
 
私の師匠・MAYU先生がプロデュースしているデニム着物。
その生地を生産している工場「篠原テキスタイル株式会社」様へ10月13日に音遊のメンバーで訪問させていただきました。


看板の下に綿花が植えられていました
 
 
110年以上前に備後絣(かすり)の反物から始まった工場が今はデニム工場になり、24時間稼働しています。

会社にお伺いしてまず入り口で感動。
デニムのスリッパ!
しかも、使用年数で微妙に色が変わっている点にキュンとします♡
 
 
まずは綿花のお話から。その産地や品種によって糸の色も変わります。

どちらも綿花です。サイズも密度も違いが。
 
 
その綿花を紡ぐ太さ、織り込む本数によって
デニムの重さが変わり、粗目だったり艶感が出たり、生地が豊かな表情に生まれ変わります。
ショールームにはサンプルがたくさん!
 
 
生地はよく知られたかための生地以外にも
植物繊維を用いた「テンセル」や
しっとりと柔らかく体の曲線にフィットする生地など
多種多様なリクエストに応えた種類の生地があります。


環境負荷の少ない育て方をした綿花を使用したり
公正な取引、フェアトレードに取り組んだ生地など
世界情勢を組み込んだ展開もされていて、
視野の広い企業様です。
 
 
しかし、ただ進化していくことだけが喜ばれるのではなく、
「ヴィンテージ」という世界観が残るのがデニムの世界。
昔ながらの原料や糸の太さ、織り方、縫製が珍重される文化があります。
 
新しさを発展させる一方、古き良き時代と同じ物を現在の技術で作るという正に”両刀使い”の柔軟さをお持ちでした。
 
 
大事な1枚を自分の生活スタイルに合わせて「育てる」デニム。
例えば漁師さん、自動車整備士さん、学校の先生等職種によって擦れる箇所も違い、
ポケットの伸びも何をポケットに入れるかによって変わってくるそうです。
コレ全部同じ生地。下から新品→上に向かって洗ったもの。
 
実際多職種の方に着用してもらい、育てたデニムを販売するプロジェクトも
進行中だとか。
 
 
経年劣化をいつくしむ文化は、他にあるでしょうか?
 
私も生デニム(1度も洗っていないもの)から育ててみたいと思いました。
 
 工場見学もさせていただき、
3000~8000本のたて糸を人の手で(!)通した後、
横糸をエアジェットで飛ばす高速機と
機織りと同じ原理で木でできたシャトル(杼・ひ)でヨコ糸を飛ばす機械を拝見しました。
出来た反物は最終的にスタッフさんが目視で検品。
黙々と作業されている背中が印象的でした。
 
 
こんなに手間暇かけて生産されたデニム生地。
一気に愛が湧きました
自分のデニム着物も
洋服のデニムパンツも末永く大事に着ます。
 
 
モノを大事にする文化と
新しさと古さが共存共栄する文化は
デニムも着物も同じですね!
 
まだまだ語りたいですが、このあたりで。
続きはお教室で聞いてくださいね。
 

午後は鞆の浦に寄り道してミニ観光。

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